サウンドワークについてのセルフインタビュー

 

Q1. DAWをグレードアップしたらおとはよくなりますか?

A. 音の良さの定義は個人差があるのでそれぞれだと思いますが、各社のDAWソフトのサウンド傾向は異なるカラーを持っていると感じています。ですので、音がよいと感じるものを見つけていただくことになりますが、最近のソフトウェアは音質がよくなってきていて、純粋なスペックでいえば大差はないかもしれません。

ただ、各社は他社ソフトと差別化を計りながら設計をしているので操作性、機能性、サウンド傾向に特色が出ます。

音だけで選んでもよいとおもいますが、やはり目的や感覚にマッチした使いやすいソフトに出会えることが最高だと感じます。

 

 

Q2. どのDAWが音がいいのですか?

A.私の知っている範囲では、Cubaseの9.5以降は内部解像度が上がったおかげで奥行の表現性やダイナミクス表現が劇的にあがりました。低域の表現も豊かです。

ProToolsのUltimateバージョンは以前のHDに相当するものですが、価格が高いだけあってさすがにサウンドの安定性が高いです。

最近デモしたLive10は音が自然で時間軸が豊かなので音がいいと感じました。低域も自然で深いのでトラックメイク以外でも使えるポテンシャルがあると感じました。

Logicはちゃんと使用したことはありませんが、お客様から頂くトラックで感じる傾向としては、クリアでストレートで自然なサウンドだと感じます。自ら試していないので使い方によって異なる可能性はあります。

Studio Oneは3.5までは使っていましたが4以降は触っていません。奥行のあるサウンドのイメージがあります。

 

 

Q3.ProToolsの無印とUltimateで音は変わりますか?

A. ProToolsはfirst、無印、Ultimateとバージョンがわかれますが、無印とUltimateではサウンドが大きく異なります。いわゆるメジャーっぽいスタジオ的な骨格のしっかりした音でレコーディングやミキシングができるサウンドになると感じます。比較すると無印が頼りなくぼやけて見えるほどです。Ultimateの特徴は時間軸のコントロールがやりやすいことです。サウンドエンジンの駆動力によっては、音の長さが長くなってしまうことが多くありますが、Ultimateはソフト上の時間解像度が高いため、しっかり止めるようにコントロールすることが出来ます。その止まり方が自然かどうかというと、すこし機械的なものが混じるため、加味しながら上手く処理することが必要と感じますが、無印と比べて断然ミックスがやりやすくなりました。全く仕事の効率がかわり、求めるサウンドをより考え見つめる事に集中できます。

 

 

Q4.Ultimateは別のインストーラーなのですか?

A.信じれないことに無印もUltimateと同じインストーラーです。つまりライセンスの認証によって、制限のかかった無印なのか、フル解像度のUltimateかが起動します。

無印での起動時は、HDのエンジンはお休みするってことですね。なので別途インストールする必要はありません。ただHDドライバーを入れないとダメだったはずです。

 

 

 Q5.マスタリングをするソフトはなにがよいですか?

A.私はwavelab9.5を今使っておりますが、おそらくDAWであればどのソフトでもひと通り仕上げることは可能だと思います。DAWはそのままでお好みの有料プラグインを使って音を探していくのがよいとおもいます。音に飽きたらソフトを試すなどとよいかなと感じます。

もちろんマスタリング用ソフトが特別にもっているよさがあるのでそこに魅力を感じる方は選んでもらえればいいと思います。

私がCubaseやProToolsでマスタリングをしないという判断をしているのは、サウンドの品質もありますが、余計な機能や待機タスクがないことがよいことだと感じます。DAWは複雑に色々な処理を重ねていくので、音が濁る瞬間が出てきます。wavelabでもそれはありますが、その量が減ることでコントロールがしやすくなります。

あとクリップ事にエフェクトをかけながらできることも魅力です。起動が速いこともワークが素早くできるのですきです。

 

 

Q6.マスタリングをするプラグインはどう選んだらよいですか?

A.お好きな音とルックスで選んでもらうのが1番だと思います。あと名前ですね。ずっと見ることになるので名前がしっくり来ないものよりは気に入るものの方が私はよいです。

最近はプラグインといえども性能が上がり、さらに性能だけではなく音楽性も上がってきているように感じます。

海外のシニアエンジニアにはITBマスタリング(アナログアウトボードを使わずパソコンのみでデジタルマスタリングするスタイル)に移行する方も増えてきているそうです。

 

 

Q7.なぜアナログマスタリングをやめてITBマスタリングに移行したのですか?

A.資金的な都合でアナログアウトボードを揃えきれないという点がひとつありますが、それとはべつにADDAコンバーターの費用対効果があります。35万円のADDAコンバーターの品質では私が求めるサウンドに至れないことがわかりました。ではどのくらい投資したら求めるサウンドが得られるのかリサーチしてみるとおそらく200万円だろうという結論がでましたので今はその選択をしないことに決めました。antelopeのamariの批評を拝見すると、従来の同価格帯モデルの品質から2ランクほど上がったようなサウンドという声も聞きますが、現状の経営判断としては故障したときの対応が困難になることを考えて検討はしていません。

 

 

Q8.35万円のコンバーターの品質は何が足りなかったのですか?

A.一番ストレスに感じるのはADコンバーター(アナログ信号をデジタル信号に変換する回路)のローエンド(超低域)のズレと消失でした。せっかくアナログでよく作れてもADコンバーターでローエンドの時間軸がズレたり変形したり失われたりすることが、今の私の技術ではカバーできないものでした。そして幾多の試行の結果、ローエンドに関しては(私の環境と技術内容では) ITBの方が正確にコントロールできることがわかり、それであればITBの方がお客様に喜んでいただけるだろうと決断しました。

アナログにはアナログの良さがあり、ゆらぎや歪み、倍音、左右のずれによる奥行などが副産物的に得られることが魅力の一つです。プラグインでは変えられない変化の大きさがあることも強力なポイントです。

ですので、今手持ちの機器を利用したマスタリングをオプションという形でお楽しみいただくプランをご提供させていただいております。

今後のテクノロジーの発達により価格を上げずに適正に運用できる技術の結晶とも言える製品が出てきましたらアナログマスタリングサービスを検討してまいります。

 

 

Q9.リファレンスにしているラジカセはありますか?

A.ラジカセはないので日常的なリファレンスとしてimac27インチのスピーカー、カーステレオ、iPhoneスピーカーをよくつかっています。これらは日常的に音と音楽を過ごしているため、よく知っているシステムとして確認をしています。ラジカセのよさも知っているためいずれ導入したいと感じています。

 

 

Q10.リファレンスのモニタースピーカーはいったいなんですか?

A.マンレイのエンクロージャーとネットワークにタンノイの10インチ同軸ゴールドユニットが入ったスピーカーをつかっています。これはレコーディングスタジオで主に使われているスタジオモニターの一種です。種別としてはラージではなくニアフィールドモニターです。それでも片側25kgあり、すべり症の私には荷が重いスピーカーです。エンクロージャーはとても硬くほぼ鳴りません。このため正確な30ヘルツくらいまでのローエンドが確認できます。同軸ユニットは特性上中域の見通しがしずらいといわれています。マスタリングには向いているがミキシングには向かない特性です。私としては不足をそれほど感じませんのでこのスピーカーでミキシングもしています。歌の表情と低域が見えることでスモールモニターよりは断然やりやすいです。

 

 

Q11.ファイルコピーで音はかわりますか?

A.デジタルの仕組みとして正常なコピーであれば同一のファイルとなり音質の変化は全くないとされています。ですので科学的には

私の感覚でいえばコピーをすると音が気持ち悪くなるので気持ちとしてできるだけしないように心がけています。人間は心情的なものも大切ですので私の心持ちのお話です。

 

 

Q12.HDDで音はかわりますか?

A.一般的な技術概論では変わらないとされています。

興味深い話では「デジタル信号も電圧で動いているため、0と1の判別のなかに、電圧の誤差が含まれて、それが音質に影響する」という話もあります。

真偽は私にはわかりませんが、私がいくつかのメーカーのHDDを作ってきて感じることは確かに違いがあるということです。ローの出方、ハイの質感、ステレオ感などです。ここはあまり考えてもキリがないのですが、体感としての印象は大切にするスタイルなので今後の発見がまたあればおもしろいなとおもいます。

大きな差ではないので一般的には大きな差があるものに投資をされた方がよいサウンドにたどり着けると考えています。

 

 

Q13.ローカルHDDとNASHDDで音はかわりますか?

A.私の手持ちのものでテストした感想としてはかわりました。HDDのモデルとNASのモデルによっても変わるかと思いますがテストデータが不足しているので今はまだわかりません。オーディオの世界ではNASの方が音が良いと言われていますが私はどちらも利点があると感じています。つまり使い分けたりそれに合わせて作り込めば問題はないだろうと今は考えています。

NAS(ネットワーク)の方が時間解像度は高くなる傾向にありました。

 

 

Q14.ネットアップロードで音は変わりますか?

A.デジタルの仕組みとして正常なアップロードとダウンロードが行われれば同一のファイルとなり音質の変化は全くないとされています。

私の感覚としてもほとんどないと感じます。

純粋な感覚ではアップロードすることによる弊害はないと感じます。ローカルよりもネットワーク経由の方がよいのではないかと。根拠はありませんのであくまで私見の推測です。

 

 

Q15..ファイル転送サービスでおとはかわりますか?

A.仕組みとしては変わらないはずです。

感覚的には少し変わるようにも感じます。

ギガファイル便が私には合うのでつかっています。

フィーリングが合うものを選んでいただくのがよいかと思います。

感性の話なので気にならないものは考えなくてよいとおもいます。

 

 

Q16.インテルCPUのパソコンではハイパースレッディング機能はオフにした方が音がいいですか?

A.ソフトの動作という点ではオフにした方が安定します。

また音に関しても私はよい方向に感じています。

 

 

Q17.デスクトップの壁画で音は変わりますか?

A.imacでの作業では気になることがあるのでフィーリングで変えています。リコールも一応します。

windowsやディスプレイが別なモデル、あたらしいimacがどうなのかはわかりません。

 

 

Q18.USBポートで音は変わりますか?

A.同じ音が出たことがないのですべてのテストをして音の傾向を使い分けることをしていますが最近はあえて適当にしています。気になった時にフィーリングで確かめます。

Thunderboltポートも同様です。

これはimacでも自作windowsでもありましたのでそういうものだと思います。

微細な差異なので一般的には無視して頂いてよいことだと思います。

 

 

Q19.ライセンスUSBキーのさすポートで音は変わりますか?

A.スタインバーグのライセンスUSBで試したことがあります。微妙に傾向は異なり、ハブのアリなしでもかわりました。ローエンドの出方が変わる印象なので気持ち整えています。煮詰まったらやると面白いです。